ラプチャーディスク / ラプチャーディスクについて

ラプチャーディスクの温度設定

一般的には設計技術者がプロセス温度を破裂時の温度とする場合が多く見受けられますが、この仮定方法は誤りであり、特に、反応している液体から発生するガスを含んだシステムの場合、問題が多くなることがあります。

もし予期したプロセス温度に達しない場合、ラプチャーディスクはもっと高い圧力にならないと作動しないかも知れません。こういう状況下ではそのプロセス流体温度を上げるように考えたり、反応しているシステムのときは、ディスクの口径を必要以上に大きくしたり、その他いろいろな危険が起こりうることを考慮して設計口径に対するオーバー圧力が生じることを避ける対応を施す必要があります。

下図は、異なった金属板の引張応力時の破裂圧力と温度を表わしたカーブです。

図1:引張型ラプチャーディスクの温度変化による破裂圧力の影響
引張型ラプチャーディスクの温度変化による破裂圧力の影響 50 60 70 80 90 100 110 圧力(%) 温度(°F) インコネル 316SS アルミニューム 60 100 140 180 220 260 300 340 380 420

ここでわかるように、インコネルという材質を使用すると温度変化に対しても、圧力の変化が小さいことがわかります。

圧縮圧力によって設計されたディスク、すなわち、なんらかの開放メカニズムを必要とした反転座屈応力は、温度変化に対して引張型ディスクより優れていると思われても、やはり、破裂温度設定は常に重要視しなくてはなりません。(反転型ラプチャーディスクの場合、温度変化による破裂圧力の変化のカーブはリニアにならない場合があります。)