ラプチャーディスク / ラプチャーディスクについて

ラプチャーディスクと安全弁の使い分けや、併用について

代表的な安全装置として容器や配管に設置する装置は、ラプチャーディスクと安全弁の2種類があります。
ラプチャーディスクと安全弁はどのように使い分けるべきなのか、また併用することによる効果など2種類の関係性について解説していきます。
より安全性の高さを求めるにはどのように設置すべきなのか検討する参考にしてください。

1.ラプチャーディスクと安全弁

一般的に安全装置として使用されているラプチャーディスクと安全弁は構造や形状が異なります。
まずは、ラプチャーディスクと安全弁の役割や動作について知っておきましょう。

①ラプチャーディスクとは

あらかじめ設定された圧力と温度で金属板部分が破裂することで瞬時に流体を放出し、圧力を下げることができます。

②安全弁とは

安全弁は、逃し弁とも呼ばれていて、容器や配管の内部の圧力が異常上昇した際にバネの伸縮を利用して圧力を放出させることができます。
そして、内部の圧力が下がると共に自動的に閉じる仕組みです。
つまり、内圧が一定以上になった場合に外に流体が流れ出すようにし、内圧を一定に保つ設計になっているのです。

2.ラプチャーディスクと安全弁の違い

ラプチャーディスクと安全弁の動作には違いがありますが、これによってそれぞれのメリットや対応する容器や流体が違ってきます。
ラプチャーディスクと安全弁の違いは以下になります。

①吹き止まりの有無

安全弁は開閉する仕組みになっているので、弁を閉じることにより内部の流体が吹き止まります。
一方で、ラプチャーディスクは破裂するため、吹き止まることはありません。一度破裂すると交換が必要になります。
安全弁の場合は交換が不要なので、設置後は整備をすることで長期間使用できます。

②作動時間と漏れの有無

ラプチャーディスクの場合、瞬時に全開になる構造のため、異常圧力の放出速度が非常に速いことが特徴です。
一方で、安全弁の場合は弁が開閉する仕組みになっていますが、流体の力がバネの力に勝つことで弁体を押し上げるため、比較的放出速度が遅くなります。
構造上、流体の前漏れもあります。

③適している流体

ラプチャーディスクの場合は、高粘性や固着性の流体の使用にも適しており、安全弁で発生する恐れのある詰まりを防げます。
また、ラプチャーディスクの材質や加工を選定することにより腐食を防止することができるので、腐食性流体にも使用できます。
可燃性・有毒・放射性流体の漏れを防止するという点ではラプチャーディスクも安全弁も同じです。

3.ラプチャーディスクと安全弁の併用について

ラプチャーディスクは単体で使用されることもありますが多くの場合、安全弁と併用して使用されています。
併用する場合には、圧力容器側にラプチャーディスク、二次側に安全弁が用いられます。
この2つが併用して使用される理由は、まず安全弁の前漏れ防止や腐食流体からの保護、誤動作防止などの理由があります。
また、安全弁とラプチャーディスクの間に圧力計を設置すれば、ラプチャーディスクが破裂していないかモニターすることもできます。

4.まとめ

ラプチャーディスクと安全弁は、危険な流体や内容物が暴走反応を起こして事故になることを防ぐ重要な安全装置です。
それぞれの安全装置を適した流体や容器に合わせて設置し、より安全性を高めて安心して作業ができる環境を整えましょう。