ラプチャーディスク / ラプチャーディスクについて

安全弁の上流側の保護(UPSTREAM PROTECTION OF PRV)

プロセス産業ではレギュレーターの故障、暴走反応、人為的な操作ミス、または機器の誤動作が原因で異常過圧が発生し、システムや機器の破壊や重大な人身傷害や人命の損失につながる可能性がありますので異常過圧への対策は必須となっています。

安全弁はプロセスの過圧から保護するための優れたソリューションであり、特に内部圧力が異常に上昇した際に自動的に圧力を放出させ、内部圧力の降下とともに自動的に閉じる構造はすべての業界およびあらゆるプロセスで広く使用されています。

しかしながら安全弁は設置される工場プロセスの環境により腐食、摩耗、破損、固着、漏れが発生することが多々あり、設計ミスによる吹き出し量の不足はバルブのチャタリングを引き起こす可能性もあります。

加えて、安全弁は定期的なメンテナンスとテストを受ける必要があるため、運用コストが高くなり、ダウンタイムが長くなります。また安全弁からリークすると、コストのかかる製品の損失や排出許容量の超過が発生する可能性があります。

これらの不具合を発生させない為に安全弁の一次側にラプチャーディスクを設置することで安全弁を適切に保護し、運用および保守のコストが削減され、安全性が向上します。

           
写真1:安全弁の上流側にラプチャーディスクを設置
 

ラプチャーディスクは使用される流体に対して耐食性のある様々な金属で製作することができますので、耐食性のある金属で安全弁を製作するよりも材料費が掛からない為、コストメリットがあります。

また十分な背圧に耐えられるラプチャーディスクを採用することにより、安全弁とディスクの間の圧力を作動圧まで上昇させることが出来ますので、安全弁を取り外すことなく、その場で作動試験ができます。

      
写真2:ラプチャーディスクと安全弁の間にガスを注入して安全弁の作動を確認      

(左からガス注入、安全弁受圧、安全が作動)