ラプチャーディスク / ラプチャーディスクについて
ラプチャーディスクの使用材料
ディスクに使用する材料は、ディスクに接触する流体に対する耐食性と、使用温度、製作範囲により選定する必要があります。
ディスク各材料の耐食性は耐食材料便覧、材料メーカカタログ、実績などから選定するか、使用流体が数種類の混合流体である場合等では、ユーザさまから指定していただくのが理想的です。
1.ステンレス
- (316, 316L:UNS NO. S31600, S31603, JIS相当材:SUS316, SUS316L)
- オーステナイト系ステンレスで耐食性に優れ、化学工業に多く使用されている。
- 鉄をベースとし、クロムとニッケルを基本成分として含有する合金で、クロムは鉄の中に入ると表面に薄い膜を作って錆を防ぐ。
- ラプチャーディスク用として最も多く使用されている。
2.ニッケル
- (Nickel 200, 201:UNS NO. N02200, N02201,JIS相当材:NNCP, NLCP)
- 純粋(99%以上)のニッケルで、多くの腐食環境に対して耐食性を持っている。
- 製品の純度を保つような用途に適している。
- 食品、合成繊維、カセイソーダ等の分野に使用される。
- ラプチャーディスク用としてステンレスとともに多く使用されている。
3.インコネル
- (ALLOY600:UNS NO. N06600, JIS相当材:NCF600)
- 高温における種々の腐食環境で使用される、耐食性のある材料。
- ニッケルを主成分(72%以上)とし、クロムと鉄を基本成分として含有する合金。
- 高温におけるのと同様、低温においても優れた機械的性質を示す。
- 塩素イオンによる応力腐食割れと純水に対する耐食性が優れてる。
4.タンタル
- (タンタリューム:UNS NO. R05200, R05400, JIS相当材:TaP, TaR)
- 純粋(99%以上)のタンタルで耐酸性が非常に高い。
- 王水および高温の濃硫酸、濃塩酸にも耐える。フッ酸には不適である。
5.モネル
- (モネル400:UNS NO. N04400, JIS相当材:NCuP)
- ニッケル合金の一種で、海水、酸、アルカリなど広範囲な耐食性を持つ。
6.ハステロイ
- (ハステロイC-276:UNS NO. N10276, JIS相当材:NMCrP)
- ニッケルを主成分とし、モリブデンとクロムを基本成分として含有する合金。
- 石油化学(塩ビ、アセトアルデヒド、酢酸、ポリプロピレン、アルキルベンゼン、アセトン、アセテート、テレフタル酸)関連に使用されている。
7.テフロン
- (フッ素樹脂)
- 耐熱・耐寒性が良く、ほとんどの薬品に侵されない。
- 耐候性、非粘着性が良い。
- 弊社で使用しているテフロンは、FEP(四フッ化エチレンと六フッ化プロピレンの共重合体、最高使用温度232℃)とPFA(四フッ化エチレンとパーフルオロアルキルビニルエーテルの共重合体、最高使用温度260℃)である。ディスクとして使用する場合、厚みが薄いため、塩素ガスなど流体によっては透過する恐れがある。