ラプチャーディスク / ラプチャーディスクについて

ラプチャーディスクが安全を守る原理とは?

ラプチャーディスクは、破裂板とも呼ばれる密閉容器や配管を守るための安全装置です。
石油化学や原子力などで使用される密閉容器や機器などが何らかの原因で暴走などが発生した場合でも、ラプチャーディスクを設置しておくことで危険な流体の流出や容器の破損を防止することができます。
つまり、ラプチャーディスクが設置されてなければ可燃性や有毒な流体が更なる二次災害をもたらす可能性もあります。
ラプチャーディスクがどのように作動し、どのように安全を守るのか原理を見ていきましょう。

1.ラプチャーディスクの原理とは

ラプチャーディスクは、動力を必要とすることなく容器や配管の安全を確保します。
そのため、電気部品等に頼ることなく、危険や異常が発生した際には瞬時に作動させることができます。
ノンメカニカルだからこそ作業員が常に管理しなくてはいけない負担や危険を減らすこともでき、電源喪失時にも作動させることができます。

①ラプチャーディスクはどのように安全を守るのか?

ラプチャーディスクは容器や配管内の過剰圧力を察知し、内圧が一定まで上昇すると破裂します。
そうすると、瞬時に過剰圧力が放出されるため、爆発することなく内圧を下げるので、ガスや流体の漏えいを予防することもできます。
また、パイロットプラントや実験装置などにも利用されています。

②ラプチャーディスクが破裂する原理

ラプチャーディスクがどのように破裂するのかというと、あらかじめ温度と圧力の条件が設定されているため、その設定を超える昇圧があると瞬時に破裂します。
その設定は、法規の適用がある場合には適用法規に従って設定します。
法規の適用を受けないようなケースでは、ラプチャーディスクを設置する容器の強度から設定します。
ラプチャーディスクは容器や配管に設置されることとなり、設定した条件を超える場合に破裂して内圧が放出される仕組みになっています。

2.種類によって破裂原理が違う

ラプチャーディスクは大きく分けると2種類があります。
ディスクと呼ばれる部分が設定圧力によって破裂するという仕組み自体は同じですが、破裂する原理に違いがあります。

①引張型の破裂原理

引張型のラプチャーディスクは、破裂する方向へドーム状にディスクが形成されています。
組み合わせる材料の引っ張られる力の限界によって破裂する仕組みになっています。
そのため、金属板であればドーム全面に圧力がかかる構造となっております。
一方で、スリットの入ったトップメタルなどが組み合わされた複合タイプであれば、スリットの未加工部分に圧力が集中する仕組みになっています。

②反転型の破裂原理

反転型の場合は、引張型とは反対で破裂する方向と逆方向にドームが形成されているラプチャーディスクとなっています。
そのため、ドームの凸部分に圧力が作用するようになっており、組み合わせる材料の座屈の応用によって反転して破裂する仕組みです。
圧力がディスクにかかることで、ディスクが反転座屈して瞬時に破裂します。

3.まとめ

ラプチャーディスクはノンメカニカルで作動させられる安全装置ですが、ノンメカニカルだからこそ設置の際にはしっかりとホルダーにて固定して設置されなくてはいけません。
正しく設置されてこそラプチャーディスクは事前に設定された使用によって破裂して容器や配管を守る役割を果たします。