スコア型ラプチャーディスクとは
POLY-SD型ラプチャーディスクは、通常単体引張型ディスクの3倍以上の板厚を有し、板の大気側にあらかじめスコア(切り溝)を入れて、その溝の深さにより破裂圧がコントロールされ、圧力設定されます。従って、POLY-SD型ラプチャーディスクは寿命が長くいつまでも安定した破裂圧力が得られ、特に重合のあるプロセス保護のため、ファイク社にて開発されたラプチャーディスクです。
高圧用にはシート部外周にリングを溶接したSCRD-FSRがあります。
主な特徴
- ラプチャーディスクの中の万能選手です。
- 重合のあるプロセスに使用できます(備考欄参照)
- 破片の飛散がない
- サイクル脈動運転に強い(他の引張型比較)
- バキューム・サポート無しでフルバキュームまで使用できます
- 安全弁と併用できます(図1. 参照)
- 板厚があるので腐食性流体にも、ピッティングが少なく使用できます
- 液体、ガス、ベーパーとどんな流体にも使用できます
- 板厚があるので寿命が長く、取扱いも簡単
- 製造範囲の下限または許容公差の下限に対し90%までの圧力で運転可能(材質がアルミニウム、銀のときは80%)
備考:重合のあるプロセスにPOLY-SDが適している理由
通常適用される引張型ラプチャーディスク専用ホルダーは、図2のように30°のテーパ部分にて板をシールする構造になりますが、このタイプのホルダーは重合物がディスクの一次側に蓄積されやすく、いざというときの異常圧力に、せっかく圧力設定をしておいた破裂圧力にて、破裂しなくなる可能性がありますが、図3のような平面にてディスクをシールしますと、重合物の蓄積がなくなります。
また、POLY-SD型ラプチャーディスクの表面は大変なめらかに仕上げてありますので、いつも流体の付着のない状態を保てます。
なお、反転式ラプチャーディスクは重合のあるプロセスには使用不可能です。