ホルダーについて
一部のラプチャーディスクを除き、ラプチャーディスクは専用のホルダーに組込み、アセンブリとしてプラントの配管、リアクターおよび機器に取付けます。ホルダーはJIS規格、JPI規格およびASME規格等の配管フランジにはさみ込むタイプであるボルト締め型、継手および配管にネジ込んで取付けるスクリュー型とユニオン型があります。(注:ユニオン型には溶接接続型もあります。)
ディスクはメタルタッチによりホルダーの入口側部品と出口側部品にはさみ、規定トルクにて締付け固定します。標準メタルタッチ構造の場合、気密性は1×10-3Acc/sec(1×10-4Pam3/sec)以下(ヘリウムリークテストによる)となります。
ダブルディスクホルダー
ダブルディスクホルダーアセンブリは、3つに分かれたホルダー部品(ベース、ミドルフランジ、ホールドダウン)に2枚のディスクをはさんだ構造になっています。このホルダーは引張型全てのディスクが使用可能で一段目、二段目ともに同じ圧力、温度に設定するのが一般的です。
ホルダーは主にカーボンスチール製で必要に応じてステンレススチール(SUS316L、SUS316、SUS304)その他ハステロイ、チタン他、特殊材での製作も可能です。
- 毒性流体、腐食性流体のプロセスに最適です。一段目ディスクが腐食や金属疲労が原因で万が一、圧力漏れを起こしても、二段目ディスクがそれらを受け止め、安全弁を腐食から守るよう信頼性を向上させます。二つのディスクは同じ仕様で取付けるため、一度のメンテナンスで寿命は2倍となります。
- 二枚のディスク間を加圧、減圧することにより、ファーストアクティングバルブ(急開弁)として使用できます。ソレノイドバルブを通して圧力を抜き、その差圧を利用しディスクを破裂、瞬時に二次側に圧力を放出します。
- 可燃性物質の完全なる分離、テストに使用できます。可燃性物質と燃料源との間にこのアセンブリを設置し、ディスクを故意に破裂させ着火を誘発させます。
エクセスフローバルブ
ラプチャーディスクは入口側の圧力と出口側の圧力との差圧で作動します。安全弁とラプチャーディスクあるいは二台のラプチャーディスクを直列に設置し使用する場合、両者間を常に大気圧にし、ラプチャーディスクを常に正しく使用できるようにするのが図3のエクセスフローバルブの役目です。
このバルブは常時ボールがシールから離れて、弁を開けた状態になっていますが、入口側のラプチャーディスクが破裂した場合、バルブ内のボールは内圧でシートへ押しつけられて弁が閉じ、圧力計と組合わせて使用しますと内圧を表示しますのでラプチャーディスクが破裂したか否かを判明できます。(図4ダブルGホルダー参照)