運転中、気密試験中のラプチャーディスク破裂の原因と対策

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ラプチャーディスクの疲労:繰返し圧力の負荷

数年間(1年間以上)使用していたラプチャーディスクが、運転圧で破裂(過早破裂)した。

運転圧力はディスクの最大可能運転圧力(個々の破裂板が1年間の使用に対して負荷できる最大の運転圧力)以下であった。

過早破裂原因調査のためディスクの破面を電子顕微鏡で調査したところ、破面に疲労破壊に見られる繰返し応力の1サイクル毎に形成されるストライエーショント呼ばれる縞模様が認められた。

この縞模様は運転圧力の繰返しにより発生したもので、過早破裂原因は繰返し運転圧力負荷による金属疲労と判明した。

運転圧力の繰り返しにより発生した亀裂の進展(縞模様部分)
写真1:運転圧力の繰り返しにより発生した亀裂の進展(縞模様部分)

ファイク・ジャパンの寿命判定プログラムにより、まず1年間使用したディスクの破裂試験を実施し、破裂圧力の低下があるか無いかを確認しました。

破裂圧力が低下している場合は、1年間使用後にディスクを交換しています。
破裂圧力が納入時の規定値を満足している場合は、使用期間を1.5年間に延長し、そのディスクの破裂試験結果で使用期間を更に延長するか、1.5年間で交換するかを決めて行きます。

疲労破壊に対しては、使用条件の変更が不可の場合及び破裂圧力を上げることが不可の場合は、先に述べた通り使用したディスクの破裂試験を繰返すことで使用期間を決定する必要があります。
この疲労による過早破裂は、ポンプやコンプレッサーに取付けられるディスクにおいては、数週間で発生する場合もありますので、ディスク型式の選定及び取付け位置に注意する必要があります。

疲労は難しい問題です。見た目では判断できません。破裂させてみるしか方法が見当たりません。