記事カテゴリー:ラプチャーディスク
提案対象:タンタルのコーティングやタンタル薄膜のライニングからタンタルのムク材への切替
タンタル材は、とても優れた耐腐食性能を持つため、化学プラントにおいて広く利用されています。ただし、希少金属のためとても高価であることが問題点であり、従来はステンレス材をベース材として接液部表面にタンタルのコーティングやタンタル薄膜のライニングを貼り付ける手法が主流でした。
ファイクでは、1インチ~4インチの口径で接液部であるホルダー入口側部材のみ、または出口側部材も含めた入口出口の両部材をタンタルのムク材で製造したタンタル製ホルダーの出荷を開始しました。価格はタンタルのコーティングやタンタル薄膜のライニングに比べて遜色ない価格で提供可能であるにも関わらず、ムク材による多くのメリットがあり、ユーザー様から好評を得ております。
※写真は、ホルダーの入口出口の両部材をタンタルで製造したモデルになります。
【タンタルのムク材を用いるメリット】
- タンタルのムク材は、タンタル部の厚みがタンタルのコーティングやタンタル薄膜のライニングに比べて厚いため、長い寿命が期待できます。
- ムク材を直接機械加工するため、タンタルのコーティングやタンタル薄膜のライニングでは苦手であった鋭利な角部や溝部などの課題がなくなり、長い寿命が期待できます。
- ムク材を使用しているため、シート部などがダメージを受けた場合に修理が可能となり、高価なタンタル材のコストパフォーマンスを上げることができます。
- ムク材を用いてるため、温度変化に強くなります。タンタル薄膜のライニングの場合には、タンタル部とベースとなるステンレス材との熱膨張の違いから気軽に使用できないケースがあります。
- 国内で製造しているため、約2か月の短納期で製造が可能です。