ラプチャーディスクの選定

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製造範囲と許容公差の違いは?

「JIS B8226:2000」破裂板式安全装置は以下のように定義されています。

  • 破裂圧力の許容差:仕様破裂圧力に対する破裂誤差の許容範囲で正・負の実数値又は百分で表示する
  • 製造範囲:製造上、材質の特性及び素材板厚の段階的選択から生じる破裂圧力への影響範囲
  • 仕様破裂圧力:発注者によって指定された仕様温度における破裂圧力
    • 補足:1986年版JISの使用基準では製造範囲について次のように記載されています。「製造範囲とは、材質のばらつき、素材板厚の不連続から生じる製造上不可避な誤差範囲をいう。」
  • 破裂板は、素材金属の各温度における引張応力を設定破裂圧力の主要因として製作される。したがって、製造業者は圧力段階ごとに製造範囲を設けて製造時の破裂試験結果がその範囲内に入ったとき、そのロットを合格とし、その試験結果の平均値を当該破裂板の設定破裂圧力とする。製造範囲を設けたとき、製造業者は受注に先立ってその製造範囲を発注者へ明示し、承認を受けて受注しなければならない。

簡単に言えば、ユーザにとっては、破裂圧力のばらつき(破裂誤差)は少ないほど良いのですが、素材板厚の若干のばらつき、製造技術の 面から限界があります。

そこで設けられたのが許容公差で、ラプチャーディスクの製作上避けられない破裂誤差の範囲です。
製造範囲は、破裂誤差の範囲にさらに、コストを加味して製作段階での手間(工数)の削減を考慮したものと言えます。

製造範囲の例

「破裂圧力=1MPaG」の要求があった場合に、製造範囲を-5%、+10%と設定すると、破裂圧力範囲は0.95~1.1MPaGとなります。
これに対して、実際の破裂試験結果の平均値がこの範囲内に入らなくてはなりません。製品の納入数が3枚でしたので、3枚破裂試験を実施した結果、0.95MPaG 1.07MPaG 1.10MPaGでした。
この平均値は1.04MPaGで製造範囲内に入っています。個々の破裂圧力も製造範囲内に入っています。

しかし、これに許容公差±5%が加味されると、平均値1.04MPaG±5%で0.988~1.092MPaGの範囲内に全ての破裂試験結果が入らなくてはならないため、このロットは不合格となります。

不合格となったため、別の素材で作り直ししました。その破裂試験結果は、0.94MPaG 0.99MPaG 1.01MPaGでした。この平均値は0.98MPaGで製造範囲内に入っています。
これに許容公差±5%を加味しても、平均値0.98MPaG±5%で0.931~1.029MPaGの範囲に全ての破裂試験結果が入っているのでこのロットは合格となります。

ここで疑問に思われるのが、製造範囲は0.95MPaGからなのに破裂試験結果が1点0.94MPaGで外れているのではないかということです。製造範囲とは、破裂試験結果の平均値がその範囲内に入っていれば良く、個々の破裂試験結果が製造範囲を超えても合格となります。