爆発放散口の設計仕様書の作り方

エクスプロージョン・ベント
(爆発放散口)

エクスプロージョン・ベント(爆発放散口)とは、粉じん爆発およびガス爆発から生じる異常な圧力を外部に放出することによって機器の破損を防止する爆発圧力放散装置です。とてもシンプルな装置ですが、設計・選定上、注意すべき点がございます。初心者の方から使い慣れた方まで、理解レベルに合わせて設計仕様書を完成させるための説明をいたします。

A . 爆発放散口(エクスプロージョン・ベント)の設計仕様を決める前に、少なくとも読んでおくこと

(初心者の方が対象です)

機器容積

可燃物が占める機器の容積を示す。基本的には、機器全体の内容積であるが、集じん機ではろ過部分は容積に含めるが、下流の空気層(クリーンエリア)は含めない。サイロ、ビンなどは常時粉の積層があり、空気容積が制限されている場合もあろうが、全容積を使用する。

機器耐圧

機器自体を爆発による圧力上昇から防護することなので、機器耐圧が重要なパラメーターです。この場合の耐圧とは、正圧側の圧力です。ただし爆発防護では機器耐圧と言う曖昧な用語は使わずに設計圧力または変形圧力を使用します。 変形圧力とは機器が変形を開始するが、まだ破損はしない正圧側の圧力を言います。 爆発防護を考える場合、いかなる爆発防護装置で対応する場合でも少なくとも正圧側の機器変形圧力が20kPaGある必要があります。補強を実施しても機器変形圧が20kPaG を下回る場合、また正圧側の変形圧力が評価できない場合は、爆発防護はできません。既存機器は廃棄し、機器を新規購入する必要があります。

『爆発放散口の簡単問い合わせフォーム』からお問い合わせをいただいた場合は、30kPaGまたは20kPaG(集じん機の場合)に仮定して計算いたします。

KG値、Kst値あるいは爆発指数[×10²kPa-m/s]

爆発の強度を定義する指数であり、ガス爆発あるいは粉じん爆発の相対的な激しさを示す尺度となる。可燃性ガスの場合にはKg、粉じんの場合にはKstと記して区別する。

『爆発放散口の簡単問い合わせフォーム』からお問い合わせをいただいた場合は、対象の可燃物について、文献データからの仮定値にて計算いたします。

設計仕様書の作成について不明点がある時は、すぐにご連絡ください。お手伝いいたします。

簡単 ⇒ 最小限の仕様のご連絡で、予算用のお見積りをご用意いたします。爆発放散口を使いたいが、依頼の方法がよく分からない方もこちらから、お問合せください。


B . 爆発放散口の設計仕様書を完成されるために知っておくこと。

(初心者の方以外が対象です)

このレベルでのファイクへの設計仕様のご連絡は、『爆発放散口 設計仕様書』のダウンロードと『爆発放散口のプロフェッショナル問い合わせフォーム』への入力の二通りの方法があります。設計仕様書のダウンロードは昔ながらの方法ですが、仕様書として形に残りますのでお勧めです。設計仕様書をダウンロードしていただき、詳細仕様をご記入後、ファイクジャパンへFAXまたはメールにて送付下さい。正確なお見積りをご用意いたします。

※説明の順番および番号は、『爆発放散口 設計仕様書』の項目番号を示します。

機器情報・運転条件

  • Item No.またはTag No.:機器の番号、呼び名をご記入ください。
  • 機器名:集じん機、乾燥機、ホッパー、ビン・サイロ、コンベア、ダクト・配管、バケットエレベーターなどの機器名をご記入ください。
  • 機器の設置場所{屋外または屋内を記入}:機器は屋外に設置されるか屋内に設置されるかをご記入ください。屋内設置の場合、放散ダクトの考慮または爆発消炎ベントへの変更が必要となります。
  • 粉じん爆発:粉じんによる爆発が対象の場合
  • 粉体名:粉じん爆発の対象となる粉体名
  • 爆発指数〔Kst〕(x10²kPa-m/s):爆発の強度を定義する指数で、現在においては粉じん爆発する粉であれば、製造者は危険性の調査として測定する義務があります。
  • 最大爆発圧力〔Pmax〕(x10²kPaG):爆発指数とセットで扱われる数値。粉じん爆発が発生時に密閉容器内で上昇する圧力の最大到達値。
  • ガス爆発:ガスによる爆発が対象の場合
  • ガス名:ガス爆発の対象となるガス名
  • 爆発指数〔KG 〕(x10²kPa-m/s):爆発の強度を定義する指数
  • 燃焼速度〔Su〕(cm/sec):上記10が不明時にご記入ください。一般のガスであれば、公表されているデータです。
  • 機器容積:機器内容積
  • 全容積(m³):機器全体の内容積
  • ダーティエリア(m³){集じん機の場合}:粉じんが存在する部分の内容積。集じん機ではろ過材部分の容積を含める。
  • クリーンエリア(m³) {集じん機の場合}:ろ過材下流の空気層の部分の容積
  • 機器の設計圧力〔Pdes〕(kPaG):機器にダメージが発生しない設計上の正圧側の圧力。
  • 機器の変形圧力〔Pyield〕(kPaG):上記16の代用値として使用できる。機器は変形するが、破壊はされない圧力。一般的に設計圧力よりも高く設定できる。
  • 運転圧力(kPaG){最小~最大の範囲で指定}:負圧から正圧までの全ての運転圧力条件をご記入ください。
  • 運転温度(℃):全ての運転温度条件をご記入ください。
  • 圧力変動の有無:運転中の圧力の変動をご記入ください。
  • エアパルスの有無:集じん機のろ過材の粉詰り防止等で使用されるエアクリーナーのパルス圧の有無をご記入ください。エアパルスがある場合、金属疲労の進行が早まりますので、エアパルス対応品の選定が必要となります。
  • 爆発放散口(エクスプロージョン・ベント)の仕様

  • 適用規格:爆発放散口の必要となる放散面積を計算する規格
  • 産業安全研究所技術指針:労働安全衛生総合研究所によって作成された爆発圧力放散設備の技術指針で、最新版の2005年版が国内で主に使用されるガイドラインである。
  • NFPA68:全米防火協会(National Fire Protection Association)による爆発放散の規格
  • その他:ヨーロッパのEN規格などが有名
  • 個数:エクスプロージョン・ベント(爆発放散口)の個数をご記入ください。通常は予備品が必要ですので、2+2(本体2+予備2)のように記述ください。
  • サイズ:エクスプロージョン・ベントのご希望サイズがある場合は、ご記入ください。
  • 接続規格(丸型のみ):JIS5KやJIS2Kなどフランジの規格をご記入ください。
  • 破裂セット圧力(静的作動圧力)〔Pstat〕(kPaG):エクスプロージョン・ベントの破裂セット圧力をご記入ください。世界標準値は、10kPaGです。
  • 破裂セット温度(℃):実際に爆発が想定される運転時の温度をご記入ください。
  • サニタリー仕様必要性の有無:医薬プラント、食品プラントなどサニタリー仕様の必要有無をご記入ください。
  • 付属品:エクスプロージョン・ベントには、破裂検出装置、大気隔離膜、金属製カバー等の付属品があります。
  • 破裂検出装置の有無:エクスプロージョン・ベントの破裂を電気信号で検出する装置です。破断式とマグネット式があります。動作が確実な破断式をお勧めします。別途本質安全防爆のバリア(和泉電気製など)が必要となります。
  • 大気隔離膜の有無:温度差によりエクスプロージョン・ベントの内面に結露が付く場合があります。これを防止するために、大気隔離膜をご用意しております。必要性の有無をご記入ください。
  • 備考欄:備考があればご記入ください。※機器の図面または、概略図を添付してください。

設計仕様書の作成について不明点がある時は、すぐにご連絡ください。お手伝いいたします。

『爆発放散口のプロフェッショナル問い合わせフォーム』からもお問合せができます。詳細仕様をご記入いただきますので、正確なお見積りをご用意いたします。

相談 ⇒ 爆発防護を検討するにあたり、どのような爆発防護の手法が必要であるかの相談を受付けさせていただきます。何をすれば良いか分からない方もこちらから、お問合せください。